今しぼりルーツ
移住者が中心となって始まった、「今しぼり」。醤油作りを仕事にするなんて、農業を始めたころは思いもしませんでした。
まだちょこんと地面の上に芽を出したばかりのようです、でも思い起こすと、もうずいぶん昔からその種はあったような気がします。
メンバーのひとり、博子ちゃんはちょうど自分と同じころに農的な暮らしを始めた仲間です(もう20年くらい前か?あー、光陰矢の如し)。博子ちゃんは志賀郷への移住者のさきがけ。当時、引越しを友人たちと手伝いました。「へー、博子ちゃんはこんな村に住むんやなあ。女性ひとりでえらいなあ。」などと思っていました。その当時から味噌や醤油を作っていきたいと話していました。
僕はそのころ久美浜町(現在の京丹後市)に新規就農し、牛飼いや畑作をしてました。近所で知り合った農家の人たちが手作り醤油を作ってると聞き、博子ちゃんに伝えたところ、ぜひ見学したいというので暑い夏の日に見せてもらいました。農家の庭先でおっちゃんやおばちゃんが汗をかきかき、大豆を茹で小麦を炒って、まさに農家の庭先手作り醤油!都会育ちの自分には、こんな昔ながらの暮らしが残っているのだなあと新鮮な驚きでした。自分は当時ひとり暮らしで、農業をしていたもののまだ食にはそれほど関心もなく、醤油もスーパーのひたすら安いものを使っていました。でも、博子ちゃんはその時にいろいろ教わったようで、コツコツ米や大豆を育て、地道に醤油や味噌を作り続けてきました。そんなことを思い出し、今しぼりのルーツのひとつだなあと、感慨がわきました。 水田家の食卓@百姓